駐車場看板の勘定科目は?経費を計上する時のポイントを解説

この記事は約6分で読めます。

お店を経営している場合、専用の駐車場を持つ店舗が多いでしょう。そこでは、お客様が迷わないように『店名入りの看板』や『誘導のための案内看板』を設置していると思います。

この駐車場の看板を経費として計上する際「どの項目が適切か分からない」とお悩みではないでしょうか?

たしかに勘定科目は金額により変わるため、とても難しいです。そもそも金額によって変わると言われてもピンとこないと思うので、このブログでは看板の種類別に該当する科目をご説明します。

各種収入・支出額を勘定科目に当てはめていくことで、確定申告の際に役立つだけでなく、財務状況が分かり、経営戦略を立てやすくなります。お店をやっている方もこれからの方も、ご参考にしていただければ幸いです。

10万円未満の駐車場看板は『消耗品費』

まず前提として、お店や会社のために使ったお金でないと経費として認められません。

経費=「事業を営む上で必要な費用」

だからです。

仮に自宅の勝手口前に『無断駐車禁止』という看板を設置したのであれば、それは私的な買い物とみなされ、その看板代を経費で落とすことはできません。そのため、自宅兼店舗の場合は、お店の入口付近にきちんと設置しましょう。

看板そのものの勘定科目としては、

  • 建物付属設備
  • 構築物
  • 器具及び備品
  • 消耗品費

の4種類があります。と言われても、実際に製作・設置した駐車場看板がどれに当てはまるのか迷いますよね。

一つの基準は金額です。1枚の看板の製作・設置費用が10万円未満か、10万円以上かによって区別されます。

10万円未満の看板の勘定科目は『消耗品費』となります。消耗品費だと、設置した年にその全額を経費として計上できます(ただし、税務署の承認を受けた青色申告者は、30万円未満が消耗品費となります)。

勘定科目は設置場所で変わる

10万円を超えると『建物付属設備』『構築物』『器具及び備品』のいずれかになる訳ですが、その基準は駐車場看板をどこに設置する(どんな種類の看板)かです。

設置場所毎に該当する勘定科目はこちらです。

お店に固定した場合建物付属設備
簡易的に立てる場合器具および備品
野立て看板にした場合構築物

実例とともに、詳しく説明します。

駐車場看板をお店に固定した場合

お店の横が駐車場だと、お客様駐車場看板を壁に設置するケースがあるでしょう。高い場所に設置した方が見えやすいですが、危険な作業につき業者に依頼されるのをお勧めします。

※「夜間は見えにくいから」と同時にライトを設置すると、看板設置費の内訳に入ります

お店に固定する場合は、建物に付属される設備として見られるので『建物付属設備』として計上されます。

簡易的に立てる場合

ラーメン屋さんの駐車場でよく見かける看板。電飾のついた立て看板で、この光に何度吸い込まれたことか(笑)キャスターが付いていて閉店時にはすぐにお店に仕舞えるので便利な看板ですよね。

この場合は屋外設置かつ簡単に移動できる看板ということで、勘定科目は『器具および備品』が該当します。

弊社ではお作りしていませんが、電飾看板はサイズやデザインの複雑さで価格がかなり変わります。

「看板を置くだけなので、看板施工費はいらない」と思っても、置く場所が道路になると、道路使用許可の申請が必要です。看板制作会社に所轄警察署へ届け出代行を依頼すると、別途3万円前後の費用が必要になるので注意しましょう。

野立て看板にした場合

第二駐車場では、足をつけて自立させる野立て看板が多いと思います。お店から離れた場所にあると、看板は大きい方が分かり易いですからね。ただ大きくなればなるほど設置が難しくなりますし、照明も付けたいとなると業者に依頼しましょう。

自由に移動させることができない看板を屋外に設置することになるので、勘定科目は『構築物』です。

【看板の種類別】ケーススタディ

参考までに駐車場看板の種類によって、どれだけ金額が変わるか見ていきましょう。

お客様駐車場看板として一般的なのはアルミ合板3mm厚という材料で作ったもので、サイズはW600×H450mmが多いです。

街中でよく見かけるお客様駐車場看板ですよね。こちらで1枚 7,450 円(税別)です。これなら『消耗品費』で計上できます。

置き型として駐車場でよく使われる『サインキューブ

こちらを両面表示で製作しても、1台 25,900 円(税別)。

連結させて複数台で使うことも可能です。例えば、2台を連結させるなら、

サインキューブ25,900円(税別)×2台+連結用のチェーン1000円(税別)×1本

=合計52,800 円(税別)

ですので、10万円を超えることはありません。勘定項目は同じく『消耗品費』です。

10万円を超えそうな、もう少し大きいサイズの看板で試算してみます。

こちらは、
サイズ:W2440×H1220mm
材料:アルミ合板3mm厚+木枠
印刷方法:長期仕様インクジェットシート貼り

看板だけなら、1枚61,920円(税別)です。
大きな看板は足をつけて自立させて設置することが多いので、電ドラ不要大型駐車場看板取り付けセットで設置すると、82,420円(税別)になります。

設置を自分で行ったら、消費税や送料を含めても9万円台に収まるので『消耗品費』です。

ただし「看板設置作業を自分たちでできない(工務店等に依頼しないといけない)」場合は、その分の作業費・工賃がかかるため、製作費+設置費で10万円を超える可能性があります。

そうです。駐車場看板の経費には、設置費も含まれるのです。

駐車場看板も減価償却の対象

注意したいのが、10万円以上の駐車場看板は、設置した年に費用を全額計上できないという点です。節税対策のために看板を経費で落とそうとしても、法定耐用年数に応じて、分割して経費計上する必要があるので、全額は計上できません。

法定耐用年数:資産計上できる年数で、会計上の価値がどれくらいあるかを示したもの。

これを『減価償却』といいます。10万円を超えると看板であろうが、この減価償却の対象となることだけ覚えておいてください。

例えば、上記の区分けで看板を当てはめると、

  • 建物付属設備 ・・・法定耐用年数10年(金属製なら18年になります)
  • 器具および備品 ・・・法定耐用年数3年(金属製なら10年になります)
  • 構築物・・・法定耐用年数その他10年(金属製なら20年になります)

看板の寿命や耐久性を表すものではないので、看板が途中で壊れたとしても、上記の決められた年数は計上できます。

まとめ:駐車場看板の勘定科目は?

駐車場の看板と一口に言っても『小さなプレート型』から設置をプロにお願いしないと出来ない『ポール看板』まで様々ですから、10万円を超えることもあるでしょう。節税のためにも、出来ることは自分でやった方が良さそうですね。

駐車場看板.comでは看板取り付け用品を豊富に用意していますので、ぜひ看板設置にもトライしてみてください!
看板取り付け用品はこちら

看板取付用品 | 駐車場看板.com

節税はもちろん大切ですが、お客様が迷わないために、分かり易いお客様駐車場看板を設置することもまた重要です。駐車場が分かりにくいお店は、もう一度行こうと思わないですからね。

次回も来店していただくために、分かりやすい駐車場看板を設置しましょう!

参考文献:国税庁「よくある税の質問」より

タックスアンサー(よくある税の質問)|国税庁

※お店によって使用目的や設置条件が様々ですので、このブログの内容はあくまで参考程度です。必ず顧問税理士に適用条件等確認をお願いします。

この記事を書いた人
林 宏彰

日頃は、デザイナーとしてお客様と直接打ち合わせをしています。
しっかりとヒアリングし、ご要望を理解した上でデザインすることを心がけています。些細なことでも、ご遠慮なくご相談ください。
このブログでは、デザイナー目線で駐車場看板の魅力を紹介していきます。

お客様駐車場看板駐車場運営